悲しみの出会う島の説明

悲しみの出会う島

繁盛している高級婦人服店のオーナーだったイアンテは、自分が両親の実の子供でなかったことを知って、衝撃を受けた。
病院の洗濯かごに捨てられていた彼女に添えられていたのは、ギリシア語と英語で書かれた“名前はイアンテです”というメモだけ。
わたしは嘘をつかれていた、という意識に苦しんだあげく、イアンテは自己発見の旅をギリシアの小島から始めることにした。
島の画廊で、彼女はある肖像写真に深い感銘を受けた。
その写真の撮影者はリュサンドロスという魅力的な男性。
ふたりはお互い相手に惹かれ、食事をともにして語りあった。
しかし彼の話には、イアンテの嫌う“嘘”が含まれていた……。
ニコールは母親と共同で経営するダンススクールの講師。
巨額の債務で経営は行きづまり、破綻寸前にまで追い込まれていた。
金策も尽きた夜、気晴らしに行った開店したばかりのクラブで、彼女は、かつての恋人クインと思いがけない再会を果たす。
もう一度君が欲しい――その誘いは彼女にあることを思いつかせた。
私の体を差し出す代わりに、彼に借金を肩代わりさせたら? 以前、クインは私よりもお金を選び、私の心をずたずたにした。
その彼が巨万の富を築いたなら、今度は私が彼を利用する番よ。
「願いを聞いてくれたら、あなたとベッドをともにしてもいいわ」ニコールの提案に、クインの目は欲望の陰りを帯びた。
テレーザは心と体の痛みに耐えていた――皇太子妃として。
王位継承者に嫁いだ以上、愛よりも義務が優先する。
それは充分承知しているものの、やはり夫には愛されたい。
おまけに子宮内膜症を発症した今、襲いくる痛みとともに、王家の跡継ぎを産めない可能性もが彼女を苦しめた。
もう身を引くしかない、とまで思いつめている。
夫のプリンス・クラウディオには内緒にしているため、最近ふたりの気持ちは、何かとすれちがう。
体の痛みから愛の行為に消極的な妻テレーザに対して、愛人ができたのでは、とクラウディオが疑いを持つほどに!姉の結婚式で花嫁付添人を務めていたソーチャは、最後列に座る招待客を見て、心臓がとまりそうになった。
チェーザレ・ディ・アルカンジェロ。
イタリア人の億万長者。
七年前、ソーチャにプロポーズした男性。
そのプロポーズの理由はあまりにも冷酷で、チェーザレに恋していたソーチャはひどく傷つき、彼を拒絶した。
そして今、再びソーチャの前に現れたチェーザレは、どういうわけか彼女に敵意と欲望のこもった視線を向けている。
その不敵な笑顔はまるでこう告げているようだった。
今度こそ、僕はあらゆる意味において君を手に入れるつもりだ、と。
メガンはまもなく三十歳。
仕事一辺倒の毎日に不満はなかった。
けれど、結婚こそ女の幸せだと考えている母親は、機会さえあれば花婿候補を連れてきて、彼女に引き合わせる。
今週末の相手はルーカス・パトリック、今をときめく人気作家だ。
メガンは一計を案じた。
彼に頼んで私に夢中なふりをしてもらおう。
そうすれば、母も安心して、もう干渉しなくなるはずだ。
彼女はさっそくルーカスの家を訪ねたが、出てきたのは、セクシーなペンキ塗りの職人だった。
メガンは失望しつつも、つい訪問の目的をもらしてしまう。
その職人がルーカス本人とも知らずに……。
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